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2019.9.21Sat

【ライブレポート】2019.9.21/22 3rdワンマンライブ「レペゼンエンタス」/AZKi対バン企画「LAST V STANDiNG vol.1」@秋葉原エンタス

2019年9月22日(日)、バーチャルシンガーのAZKiが3rdワンマンライブ「レペゼンエンタス」を秋葉原エンタスで開催した。AZKiは過去、1st Live『The Shitest Start』、2nd Live『A GOODDAY TO DiE』 共に秋葉原エンタスで開催。彼女にとって非常に思い入れのある場所ではあるが、今回の3rd Liveが最後のエンタスでのワンマンライブとして開催された。

前日の9月21日(土)には、1stフルアルバム『without U』のリリースイベント、「Re:AcT」所属の獅子神レオナとの対バン企画「LAST V STANDiNG vol.1」、そして22日レペゼンエンタスの前にもリリースイベントを開催。


超過密スケジュールの中でも一切疲れを見せず、アーティストとして進化を続けるAZKiの終わりと始まりのライブをレポートしていく。

「エンタス生まれエンタス育ちでしょ?」

「1曲目はこの曲から始めましょー フェリシア!」

元気なAZKiの掛け声からライブがスタートした。会場にいた多くの開拓者(※AZKiファンの愛称)達がそれに合わせてペンライトを片手に大声で応える。フェリシアを歌い上げると「今日はカバーもやりますよー!」と2018年12月20日にカバーした『オレンジ』を披露し、カバー曲を織り交ぜた今までにないスタートを切った。

「フェリシア」「オレンジ」「リアルメランコリー」と続いた後のMCでは、「レペゼンの意味がわからなかった。強そうな天使とか悪魔なのかなって思った。」とAZKiは話す。このイベントをきっかけにレペゼンが代表的な意味だと知ったらしい。意味がわかったと同時に、「代表と名乗っていいのか……!」と、苦悩を明かす場面があった。エンタスで3回ワンマンライブを行ったVTuberはAZKi以外存在せず、代表を名乗るには十分値するだろう。開拓者に対し「みんなもエンタス生まれエンタス育ちでしょ?」と、この日は開拓者含め全員が代表として楽しもうというAZKiの意志がトークから伝わった。

1stフルアルバム『without U』から「のんびりと、」をサプライズ披露、その後1回目の水タイムからAZKi BLaCK楽曲を連続で披露した。「ひかりのまち」「Fake.Fake.Fake」などのBLaCK人気曲から、WHiTEの流れはAZKiライブの醍醐味であり、ロックナンバーからバラードの切り替えは、感情的にも揺さぶられてしまう。今回は2019年1月にカバーしたコレサワの『たばこ』を織り混ぜ、人気曲「いのち」のアコースティックverでは感情溢れたAZKiの歌に会場が圧倒されていた。

アルバムからの新曲「フロンティアローカス」では、5年後のAZKiから今のAZKiへ、今のAZKiから5年後のAZKiへ向けた曲とコンセプトを語っていく中、「5年後は想像できないけど、歌っていたいな……。」と未来の自分への願いを語る場面があった。歌詞の切なさや深さもそうだが、曲の途中、昔のAZKiのモデルに変化する演出も存在。心地良いポップチューンからは想像できないエモさに、歓喜というよりかは、感情を吐き出すかのような開拓者の叫びが会場内に響き渡っていた。

アルバムの中でもお気に入りだという「虹を駆け抜けて」はアップテンポなロックチューンが展開。そこからさよならヒーロー、シットデイズ、ERRORと続いた。アンコール直前では「AZKiはこの曲から始まりました!」と1stオリジナル楽曲である『Creating World』を披露した。この時にAZKiは昔の衣装にチェンジ、フルのパフォーマンスを見せてくれた。

“生まれた意味を見つけるのさ 全てが始まるこの場所で”

楽曲「Creating world」が出てきた当時、今のAZKiが伝えたいことを歌詞にしたと作詞作曲を担当した流歌さんが語っていた。MCや記事などでもよくAZKiが話題に出す「命」や「死」など、それらのテーマはデビュー当時から今までずっと言葉や曲にして表現されてきた。そして、今回3回目のワンマンライブを見ても、AZKiが伝えたいことは最初から変わっていないんだな……と改めて実感できた。それも、エンタスという舞台があったからこそ、と実感した。

アンコールで「from A to Z」を披露した後、「今この場所から話すけど……。」と、AZKiがこれまでの活動を振り返る場面があった。もちろんここまで到達できたのはAZKi含め、様々な人たちの支えがあってこその今がある。そのことに対しAZKiは感謝の言葉を述べながらも、ここまで来るまでの道のりでの葛藤や苦しみを打ち明けていた。

歌がダントツで上手いわけでもなく、個性的な歌声も持っていない、辞めるという選択肢もあった、いつもは励ましの言葉を送る開拓者たちもこの時ばかりは誰も声を発さなかった。輝かしい歌姫から語られる言葉はとても重く想像しきれないスケールだった。それでもここまで来れたのは開拓者たちの応援があったから、その言葉に救われるように開拓者たちから大きな声援が鳴り響いた。そしてその熱量のまま「without U」を披露し、最後にはAZKiがエンタスで初めて歌った「Creating World (Jun Kuroda Remix)」をエンタス最後のワンマンで披露する激エモな展開で3rd Live『レペゼンエンタス』は幕を閉じた。

筆者が過去3回のライブを見て感じたAZKiの魅力は、楽曲が増え続けてもなお毎回聞くたびに新鮮さを出せることだと思う。これはAZKi自身が場数を踏んで自動的に身についたものでもあると思うが、1つ1つの楽曲に対してマンネリ化しない、歌いなれた感がないのは、チーム全体が楽曲に対しての思い入れが強い証拠だと思っている。”開拓する”という言葉はまさにこのことで、常に最高を届けたいというよりは、常に最高を更新したいという気持ちが強いからだろう。そうは思っていても、なかなかできることではない。AZKi含めチーム全体が見ているビジョンがここまで一致できているライブはそうそうないだろう。

正直なところ、エンタスで見るAZKiの歌が好きだったし、ワンマンという形ではこれで見納めになるのはやはり寂しい気持ちがある。しかしこれでAZKiのライブが二度とエンタスで見れないわけではない。今後もいろんな形でエンタスで歌うことはあるとマネージャーのツラニミズ氏が語っていた。AZKi含め開拓者たちの物語はエンタスで始まり、そしてこれからも続いていくと信じている。

取材・文・編集/森山ド・ロhttps://twitter.com/doro0157

写真/米谷優里https://twitter.com/Pik0me
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<セットリスト>
1.Oveture
2.フェリシア
3.オレンジ
4.リアルメランコリー
5.のんびりと、
6.I can’t control myself
7.ひかりのまち
8.Fake.Fake.Fake
9.Starry Regrets
10.たばこ
11.いのち Acoustic ver.
12.フロンティアローカス
13.ハートビート
14.虹を駆け抜けて
15.さよならヒーロー
16.シットデイズ
17.ERROR
18.Creating World
EN1.from A to Z
EN2.without U
EN3.Creating World (Jun Kuroda Remix)

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